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機関誌「流通情報」

ISSN 2433-9784(オンライン)
ISSN 0389-7672(冊子版)

「流通情報」は、流通経済研究所の機関誌として1967年に創刊した雑誌です。現在隔月刊で発行しておりますが、流通・マーケティングの専門誌として評価をいただいております。内容は、流通・マーケティング関連の最先端の論文や、当研究所の研究報告、業界動向を流通・マーケティングの視点から抄録したもの等を掲載しています。
隔月刊:年6号発行、A4版 約100頁
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「流通情報」最新号 目次

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No.573 | Vol.56 No.6(2025年3月発行)

特集 食料品の小売・消費の変化を追う

特集にあたって

木島 豊希
公益財団法人流通経済研究所 客員研究員/関東学院大学 経営学部 専任講師

食品小売市場における小売業態構造の将来予測

山﨑 泰弘
公益財団法人流通経済研究所 常務理事

高橋 周平
公益財団法人流通経済研究所 研究員

 

 本稿では、流通経済研究所でこれまで自主研究として行っている食品小売市場の将来推計および小売業態構造予測について、新しい情報を用いて更新した結果を紹介した。2023年に行われた前回の予測では2019年度までのGDP統計や小売業態の販売額を用いたが、今回は2022年度までのGDP統計と2023年度までの小売業態の販売額を用いた。この間、コロナ禍やインフレがあり、消費者の購買行動に変化が生じており、2040年度のシェアが前回の予測よりも高く推計された業態はSM(+1%pt)、DGS(+2%pt)、EC(+2%pt)で、低く推計されたのはCVS(-2%pt)、COOP(-1%pt)、Other(-1%pt)であった。

キーワード: 食品小売市場、小売業態構造、2040年度までの将来予測、流研ロングタームフォーキャスト、スーパーマーケット
ネットショッピング業態の今後の展望

矢野 尚幸
公益財団法人流通経済研究所 客員研究員/玉川大学 経営学部 准教授

 

 食品、日用品におけるネットショッピング業態は、近年もネットスーパーの出店が見られることから、利用金額は増加傾向にある。特に、米、水、ペット用品、大人用おむつなどはネット中心に購買される割合が高い。購買理由としては、まとめ買いや重いものを買うことを挙げる割合が高まり、忙しいときと回答した割合は低下した。これは、ネットショッピングは急遽利用するものから、普段から必要に応じて使うチャネルになりつつあることが窺える。しかし、他分野に比べると食品、日用品のEC化率は低い水準にある。理由としては、生鮮を購買することへの抵抗感、配送料への抵抗感などが挙げられる。そのため、ネットスーパーでは、鮮度保証などで生鮮の利用を促すことや、クイックコマース需要に対応することで、ECサイトに対抗する必要がある。

キーワード: ECサイト、ネットスーパー、ヘビーネットショッパー、配送料、鮮度保証
物価上昇下での食品スーパーの既存店業績に関する検討

後藤 亜希子
公益財団法人流通経済研究所 主任研究員

 

 スーパー市場は2000年代を通じて頭打ちとなっていたが、2020年のパンデミックとその後の値上げの影響で伸長が続いている。直近2024年も値上げは続いたが、値上げ品目数が前年より減ったこと、また消費者の節約志向が強まったこと、それに対応すべく各社で価格を引き下げる動きも出てきたことなどから、既存店売上高の伸びは低くなってきた。そのうえ人件費をはじめとするコスト上昇が利益を圧迫するようになり、今後もこの状況が続くと、利益率の低下が懸念される。
 そこで本稿では、食品の値上げが顕著になった2022年から24年の食品スーパーの既存店業績をレビューし、物価上昇がもたらした影響を検討する。

キーワード: 既存店売上高、客数、客単価、1品単価、買上点数
ドラッグストア業態における食品カテゴリーの役割

本藤 貴康
東京経済大学 経営学部 教授

 

 ドラッグストア業態の顧客の行動的ロイヤルティは、食品を構成するサブカテゴリー購入数量の拡大とともに向上する。また、日用品においてはロイヤル・カスタマーほど価格感度を弱め、品質機能感度を強めるが、食品は顧客のストア・ロイヤルティに関わらず価格感度が強い。日用品と比較して食品はドラッグストアの収益性に貢献しづらく、売場面積からもスーパーマーケットの品揃えに同質化することは難しいため、ドラッグストア業態の成長モデルになっている中規模店では売価訴求カテゴリーとしての集客貢献が基本的役割となる。

キーワード: ドラッグストア、購入カテゴリー数、ストア・ロイヤルティ、品質機能感度、価格感度
わが国個人消費の現状と2025年の展望

小方 尚子
日本総合研究所 調査部主任研究員

 

 わが国の個人消費は、コロナ禍に伴う落ち込みから緩やかに持ち直しつつある。もっとも、物価高の長期化に伴い、高所得勤労者世帯を中心に、選択的な支出を先送りする動きが出ていることなどから、回復ペースは緩やかなものにとどまっている。2025年には、実質賃金の伸びがプラスに転化し、消費者の先行き不安感が緩和されることが、個人消費を支えていくと見込まれる。
もっとも、現在の賃上げには、働き方や企業規模による濃淡がある。消費回復の足取りを着実なものとするためには、所得環境の改善が遅れている層の底上げが欠かせない。

キーワード: 消費支出、勤労者世帯、引退世帯、実質賃金、見通し

視点

新しいブランドの時代

久保田 進彦
青山学院大学 経営学部 教授

新刊紹介

久保田進彦『ブランド・リレーションシップ』

權純鎬
神奈川大学 経済学部 助教

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