ISSN 2433-9784(オンライン)
ISSN 0389-7672(冊子版)
「流通情報」は、流通経済研究所の機関誌として1967年に創刊した雑誌です。現在隔月刊で発行しておりますが、流通・マーケティングの専門誌として評価をいただいております。内容は、流通・マーケティング関連の最先端の論文や、当研究所の研究報告、業界動向を流通・マーケティングの視点から抄録したもの等を掲載しています。
隔月刊:年6号発行、A4版 約100頁
年間購読料:30,000円(税込33,000円)[Web誌面閲覧サービス含む]
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久保田 倫生
公益財団法人流通経済研究所 上席研究員
国土交通省 物流・自動車局 物流政策課
物流は、我が国の国民生活や経済活動、地域活性化などを支える重要な社会インフラである。本稿は、物流の「2024年問題」に対する一連の対応を示すとともに、今年3月に閣議決定された総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)について、5本柱(「物流効率化」、「商慣行の見直しや荷主・消費者の行動変容、産業構造の転換」、「物流人材の地位・能力の向上と労働環境の改善」、「物流標準化と物流DX・GX」、「厳しさを増す国際情勢や自然災害等に対応したサプライチェーンの高度化・強靱化」)に沿って解説している。
キーワード: 総合物流施策大綱、輸送力不足、物流の「2024年問題」、物流革新、集中改革期間橋本 雅隆
公益財団法人流通経済研究所 客員研究員/明治大学 名誉教授
改正物流二法や取適法の施行、「適正原価」制度の導入など、物流に関連する法規制が強化されている。また、ドライバーを含む人手不足、エネルギーや原材料コストの上昇など、荷主企業と物流企業が対応を迫られる課題も多い。社会的な物流インフラを維持・高度化し、リスク耐性を高めるために策定された「フィジカルインターネット・ロードマップ」では、2040年の実現目標に向け、「準備期」を経て2026年度からはいよいよ「離陸期」、そして「加速期」へと移行するが、この段階では「計画的な物流調整と利益・費用のシェアリングルールの確立」を掲げている。そして、この段階での取り組みは業界内・地域内から、業界間・地域間、さらには国際間へと拡大していく計画となっている。この方向性を踏まえ、荷主企業と物流企業には、現場の課題の可視化と解決に向けての広範なオペレーション改革が求められる。
キーワード: フィジカルインターネット、モジュールアーキテクチャ、社会的物流基盤のシェアリング、リスク対応、統合的業務革新堀尾 仁
公益財団法人流通経済研究所 特任研究員(元味の素株式会社 上席理事 物流企画部長)
加工食品業界では、物流の持続可能性確保に向けて、メーカー・卸・小売が業界横断で連携するFood Supply Chain Sustainability Project(FSP)が推進されている。本稿では、FSP設立の経緯とこれまでの活動、ならびに今後の方向性について整理した。リードタイム延長や荷待ち・荷役作業削減などの商慣行改革を起点に、製・配・販三層による協議体へ発展した経緯を示すとともに、「物流革新に向けた政策パッケージ」を受けて策定された自主行動計画および「行動指針FSP版」のPDCA運用について解説した。さらに、業界全体での物流改革を推進する意義と、改革の浸透・拡大、物流現場視点の維持といった今後の課題について考察した。
キーワード: Food Supply Chain Sustainability Project(FSP)、物流改革、商慣行改革、製・配・販連携、自主行動計画久保田 倫生
公益財団法人流通経済研究所 上席研究員
我が国の消費財サプライチェーンは、少子高齢化と人口減少による人手不足、いわゆる「物流の2024年問題」に象徴される構造的な危機に直面している。こうした課題に対し、政府は2021年に「フィジカルインターネット実現会議」を立ち上げ、複数企業の物流リソースを共有する新たな物流の実現に向けたロードマップを策定した。これを受けて製・配・販連携協議会は、①商流・物流におけるコード体系標準化、②物流資材の標準化および運用検討、③取引透明化に向けた商慣習の見直し、④データ共有の際のルール化という四つの優先課題ごとにワーキンググループを設置し、検討を進めてきた。さらに経済産業省では、商品情報を製配販各層が共通ルールのもとで共同利用する「商品情報プラットフォーム構想」の議論が進み、ガイドラインの策定に至った。本稿では、これらの取り組みの全体像を概観するとともに、積み残された商品情報連携の実装やインフラ整備といった課題の解決に向けて、2026年5月に製・配・販連携協議会をリブランディングする形で設立された「消費財サプライチェーン協議会」の役割と展望について論じる。
キーワード: サプライチェーン、製・配・販連携協議会、商品情報連携、流通物流、消費財サプライチェーン協議会白石 豊
三菱食品株式会社 執行役員 ロジスティクス本部長
三菱食品は、物流効率化法への対応等を背景に、データドリブンな物流DXを基盤とした物流改革を推進している。本稿では、同社が展開する「可視化」「最適化」「オープン化」の3段階からなる物流戦略と、その発展形としての異業種連携および業界横断協業の取組を整理した。輸配送・庫内作業の可視化によるデータ基盤構築、配車最適化による物流効率向上、余剰リソースの開放による共同物流の推進を通じて、個社最適を超えたサプライチェーン改革に挑戦している。さらに、PALTACとの物流協業や共同配送コンソーシアム「CODE」の実践を通じて、持続可能な物流ネットワークの構築に向けた方向性と今後の展望について考察する。
キーワード: 物流DX、サステナブル物流、共同輸配送、データ連携、物流コンソーシアム飯島 渓
公益財団法人流通経済研究所 研究員
本稿は、令和7年度に公益財団法人食品等持続的供給推進機構が実施した物流生産性向上伴走支援事業(以下本事業という)を素材に、物流現場の改善を実行へ移すための条件を整理する。物流現場では、荷待ち、庫内動線の非効率、在庫滞留、紙伝票、荷役負担などの課題が見えていても、優先順位や関係者調整、投資判断が整理されなければ改善は進みにくい。本事業では、専門家が現場課題の可視化、経営課題への翻訳、改善順序の設計、実行段階への移行を支援した。代表事例を通じて、伴走支援とは現場の暗黙知を共有可能な改善テーマへ変換し、物流担当者の判断と行動を後押しする仕組みであることを示す。あわせて、支援効果を持続させるには、専門家知見の蓄積・共有と制度側の支援基盤強化が必要であることを指摘する。
キーワード: 伴走支援、食料品物流、現場課題の可視化、実行段階への移行、専門家知見の共有矢野 裕児
流通経済大学 流通情報学部長・教授/物流科学研究所長
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