政策調査

領域2:卸売商業の活性化、中間流通の高度化

小売商業の構造変化に伴い、卸売商業も変革期に入っていますが、その変化の速度は小売商業を上回るものとなっています。我が国の流通では、古くから卸売商業が発達していますが、このことは製造産業や小売商業の参入障壁を低くし、産業の活性化にも大いに貢献しています。
卸売商業を単なる一業種と捉えるのでなく、中間流通機能を担う事業者と位置づけ、機能高度化のあり方や方策を検討することが求められています。

近年実施した研究調査例[( )は受託元名]

  • 中間流通業の「戦略的ビジョン」策定に係わる研究調査(中小企業庁)
  • IT化に伴う卸売業の存続・成長戦略に関する調査研究(中小企業庁)
  • 中小流通業に関する取引適正化に関する実態把握
  • および今後の方向性に関する研究調査(中小企業庁)
  • 卸売業・小売業等連携のモデル事業調査・パイロットプロジェクト実施(中小企業庁、日本卸売協会)
  • 食品・菓子・雑貨等卸売業の包括的職業能力評価制度整備(厚生労働省、中央職業能力開発協会)
  • 包括的職業能力評価制度整備事業における「キャリアマップ」「職業能力評価シート」等開発のための企業調査(食品・菓子・雑貨等卸売業)(厚生労働省、中央職業能力開発協会)
  • 卸売団地の形成に関する調査研究(自治体)
  • 中間流通機能の高度化戦略に関する調査研究(産業研究所)
  • 商団連事業振興活性化 中長期ビジョン策定(全国卸商業団地協同組合連合会)

プロジェクト実施例

中間流通機能の高度化戦略に関する研究調査築

■目的
生産段階、小売段階の上位集中度が低い我が国の流通において、流通の全体最適を図るために、中間流通機能に関して内外の状況を明らかにし、高度化戦略の策定を行った。

■内容
1. 中間流通機能の概念
2. 我が国における中間流通機能の現状
・製配販に対する定量調査
・先進的中間流通業者の事例調査
3. 欧米における中間流通機能の現状
4. 中間流通機能の高度化の方向と課題

■結果
我が国の中間流通機能は、卸売業が重要な役割を提供するであろうことを確認した上で、高度化の課題として、中間流通機能を正当に評価すること、製造業・小売業との協働情報交換のインフラを整備すること、物流面の共同化方策を検討すること、人材育成を高度化することを提示した。