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『消費者購買行動年鑑』を活用するために

『消費者購買行動年鑑』は、業態特性やカテゴリーの市場特性を把握したり、メーカー・卸から小売業への提案資料を作成したりする場面で活用することができます。
以下は基本的な使い方です。ぜひこれを参考に資料作成にお役立てください。

1. カテゴリー指標

『消費者購買行動年鑑』では、指標をカテゴリーごとに集計しており、カテゴリーの基本的な購買特性を把握するために利用できます。

  • 主要なカテゴリーは冊子にレポートを掲載、基本指標は帳票を掲載
  • 性年代別、時間帯別の細かな集計は、ExcelファイルでCD-ROMに収録

例)カテゴリー購買実績からそのカテゴリーの主要な購買セグメントをとらえる

「猫フード」は、50代以上の女性の1人あたり購買金額が高く、購買率も50代女性の購買率が最も高いことから、シニア女性が主要な購買セグメントとなっていることがわかる。

2. 性年代別の指標

『消費者購買行動年鑑』では、性年代別の各指標を集計しています。

  • 「業態の特徴」と「主要カテゴリーレポート」には一目で比較できるグラフを掲載
  • その他のカテゴリーのデータはCD-ROMにExcelファイルで収録

例)購買者属性として、商談資料の前置きとして利用する

3. 時間帯別の指標

『消費者購買行動年鑑』では、時間帯別の各指標を集計しています。

  • 「業態の特徴」と「主要カテゴリーレポート」には一目で比較できるグラフが掲載
  • その他のカテゴリーのデータはCD-ROMにExcelファイルで収録

例)時間帯別の購買金額構成比から購買時間のピークをみつける

このカテゴリーの購買時間は、午前中と夕方にピークがあることがわかり、これに合わせたタイムマーチャンダイジングが有効と考えられる。

4. 2つの指標を組み合わせる

『消費者購買行動年鑑』に掲載されている指標から2つを選んで組み合わせることで、さらに深くセグメントの特徴を理解することができます。

例)性年代別の商品単価と購買点数の散布図で特徴を探る

男性は全体的に来店当たり購買点数が少なく商品単価が高い傾向だが、若年層では点数も単価も低い。一方、女性は男性に比べて商品単価は低いが購買点数が多く、40代がピークとなっている。

5. 複数カテゴリーの指標を組み合わせる

カテゴリー間で同一指標を比較することで、カテゴリーの購買特性を把握できます。

例)清酒とビールの購買セグメントの違い

ビールは年代にかかわらず会員内購買率が高い一方で、清酒は若年層では低い。清酒の購買層はビールと比べて高齢層が中心であることが分かる。

6. カテゴリーの購買実績比較②

類似したカテゴリーの複数指標を使って散布図やバブルチャートを作成すると、カテゴリー間で購買特性のより深い比較ができます。

例)酒類のサブカテゴリー間の購買特性をバブルチャートで可視化する

リキュール類は会員内購買率が高く、多くの顧客に買われているカテゴリーであるのに対して、発泡酒は会員内購買率が低く、買う人は一部である一方、1人当たり購買金額はリキュールよりも高い。

7. 業態間の比較

業態別に数値を見るだけでなく、スーパーマーケット編とドラッグストア編のデータを比較することで、業態における消費者の購買特性が把握できます。

例)全体指標の比較

スーパーマーケットは来店頻度がドラッグストアの5倍以上あり、1人当たり購買金額も4倍以上あるが、購買商品単価は5割以下である。

8. 個別店舗データとの比較による課題抽出

個別チェーンよりID-POSデータが開示されている場合、そのチェーン・店舗の実績と『消費者購買行動年鑑』のデータを比較することで、店舗の課題を抽出することができます。

  • 店舗全体のデータと比較する場合は、【会員全体】の指標と比較
  • 店舗の上位デシルの実績と比較する場合は、【連続アクティブ会員】の指標と比較
    ※流通経済研究所の研究(2016)によると、連続アクティブ会員の指標はデシル1-3との比較が有効

例)市場とAチェーンのチョコレートカテゴリー実績の比較

1人当たり購買点数や会員内購買率は前年割れしたが、全国より良い。しかし全国では上昇した購買商品単価がAチェーンでは下落し、1人当たり購買金額の低下を招いている。
購買商品単価の改善を提案

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