シリーズセミナー「ネットとリアルから見る中国流通の今」2017年度
【第9回】リアル市場への影響力を増す中国ネット企業の躍進
〜小売・物流・決済から見るアリババ、テンセント、京東の戦略〜

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 中国のEC化率は2017年にすでに19.6%にのぼりました。アリババ、テンセント、京東が代表する中国のネット企業は、リアル市場へのインパクトをますます強めています。

 外資系ハイパーマーケット最大手の「大潤発」はアリババに買収され、「カルフール」はテンセントからの出資を受け、内資系で唯一全国展開できた大手チェーンの「永輝」もまたテンセントと提携するようなりました。10年ほど前にハイパーマーケットが中国市場を制覇する様子から一変し、時代の変化を感じさせられる出来事が次々と起こっています。

 一方、ECの発展とともに、中国は宅配便取扱量やオンライン決済額において、世界最大規模に成長しています。需要の拡大や莫大な投資資金などを背景に、無人倉庫、ドローン、配達ロボット、無人店舗などで、無人化技術の開発や実用化が活発に行われています。

 本報告は、ネット大手3社のアリババ、テンセント、京東に注目し、小売の業界再編、新業態開発、物流強化、決済強化、無人店舗開発といった5つ側面での動きを通して、いまの中国のEC・小売市場では何か起こっているのか、そしてどこに向かおうとしているのかを整理し、解説します。

開催日 2018年3月8日(木)、13日(火) 14:00〜17:30
会場 弊所会議室(東京都千代田区九段南4-8-21)
JR線・地下鉄各線 市ヶ谷駅より徒歩2分
(定員30名)
参加費 1名様につき 28,000円(消費税別)
ご参加対象 中国市場にご関心のあるメーカー、商社・卸売業、小売業、物流業、EC事業者など
(上記以外のご参加は、お受けできない場合があります)

プログラム

時間 内容
14:00〜15:15 1. ECのさらなる拡大と小売業の構造的変化

●シェア拡大で勢いを増すECチャネル
  • 社会消費財小売総額の成長減速
  • ウエイトを拡大し続けるECチャネル
  • 越境ECの拡大と関税引下げ政策の再実施

●小売業態の構造変化
  • ハイパーマーケットの衰退と小型スーパーの台頭
  • コンビニエンスストアの急拡大
  • ネット企業によるリアル小売への浸透拡大
2. ネット企業がリードする小売業界の再編

●アリババの「新小売」戦略の展開
  • 台湾系小売チェーンの大潤発の買収
  • 国有小売グループの百聯との提携
  • 福建省ローカル・チェーンの新華都への資本参加

●テンセントのリアル小売業への浸透
  • 内資系全国チェーンの永輝への資本参加
  • 永輝とカルフール中国への共同出資
  • 湖南省ローカル・チェーンの歩歩高への資本参加
  • 京東、家電量販店の蘇寧と商業不動産開発の万達への共同出資

●京東のリアル小売企業との提携強化
  • ウォルマートとの提携強化
  • 精肉専門チェーン「銭大妈」への資本参加
3. 小売新業態の開発

●「グローサラント」業態の開発

  • アリババ傘下の「盒馬鮮生」の拡大
  • 永輝による「超級物種」の展開
  • 京東の初の小売事業「7Fresh」の展開

●小型店舗の出店拡大

  • 永輝小型業態「永輝生活」の急拡大
  • アリババによる「天猫小店」の都市部での展開
  • 京東による「京東便利店」の農村部での展開
15:30〜16:30 4. EC企業の物流戦略

●EC物流関連の政策と無人化技術

  • 宅配全体とEC宅配の取扱状況
  • EC物流への政府の6つの促進政策
  • ドローン、AGV、配送ロボットなどの物流無人化技術の実用化

●アリババ物流子会社の菜鳥網絡の展開

  • アリババによる菜鳥網絡への増資と物流投資の拡大
  • 海外企業との提携越境とEC物流の強化
  • アリババによる物流無人化技術の活用

●京東による物流事業の強化

  • 物流事業の子会社化とS2Bモデルの構築
  • 京東による物流無人化技術の活用
  • 物流大手の順豊との競争拡大
5.「生活」をめぐるモバイル決済の競争激化

●モバイル決済市場の拡大

  • 第三者オンライン決済の規模推移と市場シェア
  • 中央銀行によるオンライン決済への新政策

●アリババの「支付宝」(アリペイ)の拡大

  • 零細小売事業者向けの金融サービスの強化
  • 海外市場の開拓

●テンセントの「微信支付」(ウィーチャートペイ)の急躍進

  • 「小程序(ミニ・プログラム)+微信支付」によるリアル店舗との連携拡大
  • 公共交通、「紅包」(お年玉)をめぐるアリペイとの顧客争奪戦
16:45〜17:30 6. 無人店舗開発の活発化

●無人店舗の技術と仕組み

  • 無人店舗の基本形態と仕組み
  • RFID、顔認証技術などの実用化
  • 先行無人店舗の代表例(Bingo Box、Take Go、F5未来商店など)

●ネット企業の無人店舗開発

  • アリババの「淘珈琲」(Tao Cafe)と「スマイル」割引
  • 京東の無人超市と無人便利店
  • テンセントの期間限定無人店舗「We Life」
  • 無人店舗の課題と将来予測
7. 中国の小売業 今後の行方
  • 中国小売業が抱える本質的な課題
  • リアルに浸透するネット企業の戦略ロジック
  • 中国市場から見えた「新小売」の在り方

※プログラムには若干の変更が生じる可能性があります。あらかじめご了承ください。

報告者紹介

李 雪(公益財団法人流通経済研究所 特任研究員)
<略歴>
 中国吉林省出身。2005年新潟経営大学経営情報学部卒業。13年早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了、博士(商学)。早稲田大学商学学術院助手、中京学院大学経営学部専任講師を経て、2015年より現職。
<著書・論文>
・単著『中国消費財メーカーの成長戦略』(文眞堂、2014年)
・共著『中国・東南アジアにおける流通・マーケティング革新』(白桃書房、2015年)
・共著『中国流通のダイナミズム』(白桃書房、2013年)
・「中国流通の最新動向:消費市場の構造転換と小売チェーンの戦略」『流通とシステム』(流通システム開発センター、2016年7月)
・「中国における越境ECの進展:政府の促進政策とEC企業の取組みに注目して」『流通情報』(流通経済研究所、2015年11月)
・「激変する中国の流通:メーカー、卸、小売に見る流通システムの変化」『流通情報』(流通経済研究所、2014年9月)
・「急成長する中国のネットショッピング市場:ネット通販企業の戦略と課題」『流通情報』(流通経済研究所、2013年9月)

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