シリーズセミナー「ネットとリアルから見る中国流通の今」2016年度
【第5回】中国EC物流の最新動向:大手EC企業と宅配企業の戦略
〜アリババ研究院の物流専門家により中国越境EC物流の現状を解説〜

セミナーは終了いたしました。多数のご参加ありがとうございました。
なお、セミナーテキストを販売しております。
ご希望の方は、ページ下部のお問い合わせよりご連絡ください。

開催日 2016年10月14日(金) 13:15〜17:30
(講演者都合により9/9(金)より10/14(金)開催に変更になりました。
ご迷惑をお掛けし申し訳ありません)
会場 TKP市ヶ谷カンファレンスセンター
(東京都新宿区市谷八幡町8)
JR線・地下鉄各線 市ヶ谷駅より徒歩2分
受講料 1名35,000円(税込価格37,800円)
ご参加対象 中国市場に進出している、もしくは進出を検討しているメーカー、商社・卸売業、小売業、物流業、EC事業者など
※上記の業種以外の場合、お申し込みを受けできない場合がございます。あらかじめご了承下さい
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シリーズセミナー第3回のご案内

(1)中国大手EC企業における物流体制の構築
 国家郵政局の統計によれば、2015年中国宅配企業の年間取扱量は前年比48%増の206億7000万個に達し、業務量では中国は世界最大となりました。物流はEC成長の最大のボトルネックだと言われています。中国の地理的広さ、ECの拡大による配達需要の急増、宅配産業の発達の不十分さなどがその背景にあり、配達スピード、荷物の取扱い状態、返品対応などを含めた物流サービスがEC競争の焦点ともなっています。
 また、EC市場ではこれまで常温で取扱い可能な商品が中心でしたが、近年大手各社は生鮮食品(青果、水産品、肉類など)、冷凍食品(アイスクリームなど)、医薬品、いわゆる厳格な温度管理が必要な商品も取り扱うようになりました。これにより、物流に対し一段と高い保管・輸送技術が要求されます。
 今回の報告では、アリババ(菜鳥網絡)、京東、蘇寧、アマゾン中国といった主要企業がどのようにして物流体制を構築し、上述の問題に対応したのかについて整理します。
(2)大手宅配企業の最新動向
 中国の宅配産業は、2000年代に入り急速に成長しています。そこには、3つの特徴が見られます。第1に、取扱個数では、過半数はECによるものです。第2に、ECの成長性を見込み、大手宅配企業は自らEC事業を展開していることです。第3に、ECの価格競争にも影響され、EC依存度の高い宅配企業の収益が低いことです。いずれにしても、中国の宅配産業はEC業界と強い関係を持っています。
 今回は、宅配大手5社の順豊、三通一達(申通、円通、中通、韻達)の最新動向に注目し、EC・越境ECの展開・取組み状況、海外物流ネットワークやコールドチェーンの整備状況、また最近注目されている各社の相次ぐ株式上場について報告します。

2014年度中国大手宅配業者の上位7社(取扱量順)

取扱量順 企業名 拠点数
(千カ所)
従業員数
(千人)
トラック保有数
(千台)
展開方式
1 申通快逓 10 200 - 加盟、直営
2 円通速逓 20 220 30 加盟、直営
3 中通速逓 10 200 40 加盟、直営
4 順豊速運 12 340 16 直営
5 韻達快運 53 100 - 加盟、直営
6 郵政速逓 45 100 10 直営
7 百世匯通 14 100 - 加盟、直営

出所:国家郵政局の統計により作成。

(3)ゲスト講演:中国越境ECにおける物流の現状と課題:菜鳥網絡(アリババ)の戦略を中心に
 越境ECにおいても、物流は難題となっています。国境を超えた長距離配送、越境EC実験区や保税区による特殊な輸出入の仕組、一般貿易と異なるコスト構造などがあり、国内物流よりさらに複雑になっています。
 今回、アリババ研究院物流専門家の粟日氏をお招きし、越境EC物流の基本モデル、大手EC各社の物流モデル、越境EC実験区や保税区の相違点、保税倉庫の運営状況および越境EC新政策の影響をご紹介いただきます。また、アリババ物流子会社の菜鳥網絡の取組みを通して、越境EC物流の流れ、天猫国際への出店企業の運営モデルと事例についてお話しいただきます。

*アリババ研究院(中国語:阿里研究院)は、2007年アリババ・グループの研究機関として設立。情報経済、産業の情報化、消費・投資・輸出入・雇用などにおけるインターネットの影響、ネット関連法律・法規などといった内容を中心に研究活動を行っている。アリババネット価格系列指数(alibaba Shopping Price Indices:aSPI)、アリババEC発展指数(alibaba E-commerce Development Index:aEDI)などを独自に発表するほか、中国社会科学院などの外部研究機関との提携により研究報告も発表している。

プログラム

時間 内容
13:15〜14:20 中国大手EC企業における物流体制の構築

●中国EC物流の概況

  • EC市場の膨張に伴う物流需要の拡大
  • EC物流における4つの問題点

●アリババ:菜鳥網絡による物流の情報化

  • 菜鳥網絡の設立とCSN(China Smart Logistic Network)計画の実施
  • 菜鳥驛站によるラストワンマイルの強化
  • 伝票の電子化と物流の効率化
  • 農村と越境ECへの取り組み

●京東:自社物流体制の堅持

  • 物流面での課題と自社物流体制の構築
  • クラウドソーシングによるラストワンマイル問題への対応
  • 農村地域への無人機導入の試み
  • コールドチェーンの取り組み

●蘇寧:既存リアル物流体制の活用と宅配事業の強化

  • 宅配事業の展開と物流云プロジェクト
  • 越境EC物流への取り組み
  • 菜鳥との提携による相乗効果

●アマゾン中国:物流サービスの事業化

  • 直営と外部委託を融合した物流体制の構築
  • 越境ECによる物流サービスの展開

●まとめ:EC物流の課題と今後の予測

(公財)流通経済研究所 特任研究員 李 雪
14:35〜15:45 大手物流企業の最新動向

●中国宅配業界の概況

  • 中国宅配産業の発達状況
  • 政府の関連政策とその影響
  • 大手宅配企業の概要と競合状況

●宅配大手のEC・越境ECへの取組み

  • 順豊のECサイト「順豊優選」の拡大
  • 韻達の越境ECサイト「優逓愛」の展開
  • 円通の「一城一品」の展開

●海外物流ネットワークの展開

  • 海外企業との提携と拠点整備
  • 越境ECに対応する宅配各社の物流体制

●コールドチェーンの展開

  • 宅配業界でのコールドチェーンの整備状況
  • 生鮮・冷凍食品、医薬品の配送に対応する順豊の戦略

●株式上場の動き

  • 宅配企業への投資拡大
  • M&Aによる株式上場(申通、円通、順豊、韻達)

●まとめ:大手宅配企業の課題と今後の予測

(公財)流通経済研究所 特任研究員 李 雪
16:00〜17:30 ゲスト講演:
中国越境ECにおける物流の現状と課題:菜鳥網絡(アリババ)の戦略を中心に

●中国越境EC物流の現状

  • 越境EC物流の市場規模と基本モデル
  • 大手EC企業の越境EC物流モデル
  • 越境EC物流コスト構造と発生リスク

●越境EC実験区および保税区の現状

  • 各実験区と保税区の物流面での相違点
  • 越境EC新政策による影響と今後の動向
  • 保税倉庫の運営状況と課題

●菜鳥網絡の戦略

  • 菜鳥網絡の戦略ポジションと役割
  • 越境ECにおける菜鳥網絡の事業モデルと事例
  • 日本における菜鳥網絡の展開
  • 天猫国際の出店企業の運営モデルと事例
アリババ研究院 産業チーム専門家 粟 日 氏
他1名を予定
(逐次通訳あり)

※プログラムには若干の変更が生じる可能性があります。あらかじめご了承ください。

報告者紹介

李 雪(公益財団法人流通経済研究所 特任研究員)
<略歴>
 中国吉林省出身。2005年新潟経営大学経営情報学部卒業。13年早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了、博士(商学)。早稲田大学商学学術院助手、中京学院大学経営学部専任講師を経て、2015年より現職。
<著書・論文>
・単著『中国消費財メーカーの成長戦略』(文眞堂、2014年)
・共著『中国・東南アジアにおける流通・マーケティング革新』(白桃書房、2015年)
・共著『中国流通のダイナミズム』(白桃書房、2013年)
・「中国における越境EC の進展:政府の促進政策とEC企業の取組みに注目して」『流通情報』(流通経済研究所、2015年11月)
・「激変する中国の流通:メーカー、卸、小売に見る流通システムの変化」『流通情報』(流通経済研究所、2014年9月)
・「急成長する中国のネットショッピング市場:ネット通販企業の戦略と課題」『流通情報』(流通経済研究所、2013年9月)

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公益財団法人流通経済研究所
担当:伊藤、李(り)
住所:〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル10階
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