リテイル・サプライチェーン戦略研究会 随時参加受付中

〜売り場を起点とした、メーカーのロジスティクス&チャネル・営業戦略を考える〜
研究会のねらいと特長
「マーケティングの時代」から「ロジスティクスの時代へ」

リテイル・サプライチェーン戦略研究会は、売り場を起点とした効率的なサプライチェーンの構築を目指すために、メーカーとしてどのようなロジスティクス&チャネル・営業戦略が必要なのかを考える研究会です。 2007年以降、わが国は人口減少社会となりました。この先10年後、20年後を見通した時、全体としての需要減退は免れない状況と言えるでしょう。特に地方都市における市場縮小が顕著になると想定されます。にも関わらず多くの小売業が新規出店競争を繰り広げた結果、足元では恐ろしいほどの売り場生産性の低下が起きています。
 こうした状況から言えることは、今後はよりローコストな仕組み、効率性を追求する必要があるということです。現在は「マーケティングの時代」から「ロジスティクスの時代」への転換期であり、その流れを抑えて戦略を立てた企業が、今後生き残っていく、そして発展していく企業と言えます。
 サプライチェーン上でチャネルキャプテンの座にいるのは小売業であり、さらに絶対的地位と言えるのは、需要と供給が出会う場所でもある売り場に他なりません。わが国特有の取引制度の影響もあり、小売業自身は売り場におけるサービスレベルが非常に高く、コスト度外視のものであることに気付いていない可能性も否定できません。本研究会はこうした問題意識のもと、より効率的なサプライチェーンを構築するために、メーカーが今この時代に行うべきこと、しておかなければならないことを徹底的に考察します。

売り場を起点に効率的なサプライチェーンを構築〜売り場とセンターの徹底理解

 サプライチェーン全体での効率化を目指すには、メーカー、卸、小売が連携することが重要です。下図は、昨年度の旧研究会(ロジスティクス&チャネル戦略研究会)で、小売業に対して行ったアンケートの結果の一部です。「サプライチェーン全体で見たコストを削減するために、次の事柄をどの程度許容することが出来るか?」を尋ねたものですが、小売業は「欠品率の上昇」や「日付の逆転」などについて許容出来ないと考えていることが分かります。
 しかし、コストとサービスレベルはトレードオフの関係にあります。コストを削減するには、サービスレベルを下げなければなりません。
 では、小売業と協働して効率的なサプライチェーンの構築を目指すには、どうしたら良いのでしょうか。どのような領域に効率化の可能性を見出すことができるでしょうか。それを明らかにするためにも、本研究会では、これまで研究会で蓄積してきた研究成果に基づく研究所スタッフによる報告や、実務家による先進事例報告に加え、実際の小売業の各種データを用いた実証分析を行っていきます。

ある大手小売チェーンの研究協賛

 本研究会では、小売業の売り場と専用センターを徹底的に理解することに努めます。そのため、小売業から研究協賛をうけ、各種データを提供してもらいます。売り場データ、作業データ(簡単な作業調査を行います)、などを収集し、それをもとに、実態把握と改善の方向について整理します。

研究会のコーディネイター

寺嶋 正尚(てらしま まさなお)

  • 客員研究員 産業能率大学経営学部准教授
    日本物流学会理事
  • 主な研究領域:
    ロジスティクス、サプライチェーン・マネジメント等
  • 主な研究業績:
    ・ 雑誌連載:ロジビズ(LOGI-BIZ、ライノスパブリケーション)において、物流政策(行政の動き)について毎月連載中。
    ・ 書籍(単著):『事例で学ぶ物流戦略』(白桃書房、10年)
    ・ 書籍(共著):『海外市場開拓のビジネス−中国市場とアメリカ市場』(白桃書房、09年)
                       『卸売が先進企業になる法』(日刊工業新聞社、08年)
                       『進化する日本の食品卸売産業』(日本食糧新聞社、06年)
                       『図解 よく分かる在庫起点経営』(日刊工業新聞社、05年)
                       『最新 よく分かる中国流通業界』(日本実業出版社、03年)
                       『卸売業のロジスティクス戦略』(同友館、01年)

研究員 木島 豊希(きじま とよき)

  • 主な研究領域=ロジスティクス、会計論(財務会計及び管理会計)
  • 主要研究業績・著書
    ・ 「2020年のスーパーマーケット業界の課題と展望に関する調査研究」『流通情報』(流通経済研究所 2012年1月)
    ・ 「人口構造の変化に伴う小売業の集客に関する基本的考察」『流通情報』(流通経済研究所、2011年11月)
研究の視点
主要研究テーマ
研究テーマ1 小売業の売り場の徹底理解(データを用いた定量分析)
  • わが国小売業の売り場におけるサービスレベルの高さは定評があります。これまで研究会では、小売業向けアンケート調査(2011年度)などの手法を用いて、その実態を明らかにしてきました。
  • 売り場のサービスレベルが高いことは非常に良いことです。お客様はキレイな店舗で、バラエティシーキングを楽しみながら、欠品のない状態で、鮮度の高い商品を買うことができるでしょう。
  • 右肩上がりの経済下ではそれで良かったのですが、しかし近年では、売り場生産性が低下するなど状況が一変し、効率的な売り場作りが要求されるようになってきました。
  • 新研究会では、ある大手小売チェーンに研究協賛を頂き、その各種データを分析することで、アンケート調査では見えてこなかった実態に迫ります。売り場データ(POSデータ、在庫データ、特売データ)のほか、店頭における作業分析を行い、作業系データを収集します。
  • さらに実態をベースに、どのような箇所に改善の余地があり、メーカーは戦略を実施していくことができるかを分析します。売り場を起点にしたサプライチェーン戦略を提言します。
研究テーマ2 小売業の専用センターの徹底理解
  • 多くの小売業は、自社専用センターを開設・運営しています。その一般的な姿は、下図のようなものです(2011年度研究会のアンケート結果より)。
  • メーカーや卸売業は、この専用センターに商品を納入しますが、自社での店別仕分け、半日程度のリードタイム、プラスマイナス30分の時間指定などが課されています。多くのメーカーは、高い要求レベルに、何とか対応しているのが実際と言えるでしょう。
  • 一方、専用センターを見ると、必ずしも効率的な運営がなされているとは言えません。中小小売業に至っては、取り扱い金額は100〜200億円程度、稼働時間も短く、マテハンは殆ど導入されていません。そしてその使用料として、センターフィーが徴収されます。
  • こういった状況を、サプライチェーン最適化の視点から見直すことはできないでしょうか? より効率的なセンターのあり方を提言できないでしょうか?
  • 本研究会では、売り場を起点にそのサービスレベルを下げることなく、専用センター段階、さらにはメーカー〜専用センター間でどのような効率化策を実施することが可能かどうかを考察します。実際にある大手小売チェーンのセンターを対象に、その実態を分析します。
現状分析 ・専用センターにおける商品の流れ及び業務の把握
・ 専用センター及び店舗・本部間の情報の流れの確認
・ どのような作業に、どれくらいの人員及び時間をかけているか
・ 代表的な業務に関する活動コストの確認
・ 稼働状況
・ メーカーや卸売業からの納品時間(時間指定の状況など)
より効率的なオペレーションの可能性 ・ 稼働率をあげることは可能か?(センターの二毛作、三毛作)
・ 総量納品タイプ、センター仕分けタイプのコスト&メリット
・ 在庫型、通過型のコスト&メリット
・ VMIのメリット
研究テーマ3 小売業の徹底理解
  • 本研究会では、下記のような業態のチェーン小売業に注目します。新業態のネットスーパー、ネット通販、宅配便業者等の動向については、特に注力して動きを追いかけます。またこれらを横断的にカバーする、大手流通グループの動向についても考察します。
  • 外部講師を招聘するほか、研究所スタッフがこれらの小売業の動向を整理し報告します。ちなみに2011年度研究会では、イトーヨーカ堂、セブン−イレブン・ジャパン、元ファミリーマートの方などを講師として招聘しました。今年度も多くの小売業の方を講師としてお呼びする予定です。
  • 小売業の動向を踏まえ、メーカーのロジスティクス&チャネル戦略のあり方について検討します。
総合スーパー (1)イオン (2)イトーヨーカ堂 (3)ダイエー (4)ウォルマート 等
食品スーパー (1)ライフ (2)マルエツ (3)ヨークベニマル (4)アークス 等
コンビニエンスストア (1)セブン−イレブン・ジャパン (2)ローソン (3)ファミリーマート 等
ドラッグストア (1)マツモトキヨシHD (2)スギHD (3)サンドラッグ (4)ツルハHD 等
ホームセンター (1)DCMHD (2)カインズ (3)コメリ (4)コーナン商事 等
その他業態 ・ネットスーパー ・ディスカウントストア ・専門店 ・料飲店 等
研究テーマ4 卸売業の徹底理解
  • 卸売業界では、業種を問わず大手企業による寡占化のレベルが上昇しつつあります。日用雑貨品ではPaltacとあらたの2強時代に、また医薬品業界では、メディセオ、スズケン、アルフレッサ、東邦薬品の4強時代となっています。また、これまで寡占レベルがあまり高くなかった食品業界でも、近年、合従連衡が相次いでいます。
  • 卸売業段階で集約レベルが高まったことにより、メーカーのロジスティクス&チャネル戦略もこれまでとは異なるものに変えていくことが必要になります。
  • ここでも小売業同様、外部講師を招聘するほか、研究所スタッフがこれらの卸売業の動向を整理し報告します。ちなみに2011年度研究会では、日用雑貨品業界において、地方卸売業のネットワーク組織であるサプリコなどを講師として招聘しました。
  • 卸売業の動向を踏まえ、メーカーのロジスティクス&チャネル戦略のあり方について検討します。
食品卸売業 (1)国分 (2)三菱食品 (3)日本アクセス (4)伊藤忠食品 (5)三井食品 (6)加藤産業 等
日用雑貨品・医薬品卸売業 (1)Paltac (2)あらた (3)中央物産 (4)メディパルHD (5)アルフレッサHD (6)スズケン 等
総合商社 (1)三菱商事 (2)三井物産 (3)住友商事 (4)伊藤忠商事 (5)丸紅 等
限定機能卸+物流事業者 (1)エイジス (2)フィディック (3)3PL企業 (4)3PMD企業 (5)フードブローカー (6)レップ 等
研究テーマ5 製配販の連携に関する研究
  • 製配販の連携は、どのように行えば良いでしょうか。経済産業省の旗振りのもと2010年から行われている製配販連携協議会では、(1)返品削減、(2)配送最適化、(3)デジタル・インフラの検討、の3テーマが話し合われています。
  • 右図は、2011年に本研究会が実施した小売業向けアンケート調査の結果です。小売業が考える「優先順位の高いロジスティクス上の課題」について尋ねました。
  • これを見ると小売業は、
    ・在庫削減
    ・欠品率低下
    ・品出し
    ・陳列作業の効率化
    ・発注作業の効率化

    に関して、高い優先レベルをつけています。サプライチェーンの効率化を促す場合は、メーカーとしては小売業のこうした意向に配慮しつつ、全体最適の道を探っていきたいところと言えるでしょう。
  • 本研究会では、製・配・販の連携をどのように行えば良いか、そのための準備や前提条件は何か、どのような成果を目標に掲げ、その果実をサプライチェーンでどうシェアしていくべきか、などについて考察します。
  • 事例についても、数多く見ていきます。
研究テーマ6 注目すべき物流センターの視察・ヒアリング(現場の重視)
  • ロジスティクスの基本は、何よりも「現場を見ること」にあります。本研究会では、研究発表や実務家のご講演とともに、実際に現場に足を運び、先進的な物流センターや注目店舗を視察・ヒアリングすることを重視しています。実際のオペレーションがどのように行われているかを目で確かめ、不確かなところは現場のご担当の方に直にお話を伺う機会をご提供致します。
研究会の運営方法と構成について
研究会のご報告は、主として下記の4つの方法で行います。
(1) 自主調査・研究結果の報告
  • 毎月事務局が本研究会の主旨に沿う報告を行います。
  • 業界に注目すべき動向が見られた場合は、逐次情報を収集しご報告します。
  • 調査・研究の内容、またテーマ設定に関しましては、研究会参加企業の方々のご関心を可能な限り反映させていただきます。
(2) ある大手小売チェーンの売り場及び専用センターに関する実証分析(デー タ分析)
  • 研究協賛先の大手小売チェーンから、売り場データ(POSデータ、在庫データ、コーザルデータ)等を収集し、それをもとに実証的に実態分析を行います。店頭作業に関しては、別途簡単な店頭調査を行い、その実態の把握に努めます。センターに関しても考察します。
(3) 外部講師による事例報告
  • メーカー、卸売業、小売業などの実務家、業界の専門家などを招き、研究会のテーマに沿った事例、研究成果をご報告します。
  • この内容は原則として録音テープから活字に起こし、翌月のテキストに収録します。
(4) 物流センターや店舗の視察・ヒアリング(現場の重視)
  • 物流戦略を考える上で、現場に足を運び、その事例から知見を抽出することが重要です。なかでも物流センターは、概要の説明と視察を合わせて受けることで、理解が飛躍的に高まります。
  • 参加企業の皆様のご要望の大きいセンター視察や、注目すべき企業の店舗等を視察します。
本年度の各月のメインテーマ案
  • 本年度の研究会では、(1)売り場及びセンターに関する実証分析、(2)外部講師による講演、について、下記のようなテーマを想定しています。
  • 会員企業の方々のニーズや、研究協賛先の大手小売チェーン及び講師の先生のご都合により変更する可能性があります。またどの月に取り扱うかに関しましては、現時点では未定です。
(1)売り場及びセンターに関する実証分析 1.売り場分析の体系的整理
2.商品の売れ方の実際
3.在庫、欠品、返品等の状況
4.売り場における業務の流れの確認
5.在庫・発注管理から見えてくること
6.品出し・陳列作業の実際
7.専用センターの実態
8.物流センターの視察・ヒアリング
(2)外部講師によるご講演 1.食品スーパーのロジスティクス戦略
2.ドラッグストアのロジスティクス戦略
3.コンビニエンスストアのロジスティクス戦略
4.ネットスーパーのロジスティクス戦略
5.卸売業のロジスティクス戦略
6.メーカーのロジスティクス戦略
7.3PLのロジスティクス戦略
8.物流センターの視察・ヒアリング
研究会の開催日など(予定)
開催期間 2012年6月〜2013年3月、毎月1回(8月、1月は休会)
開催日
※現時点での開催予定日です。変更する場合は研究会開催前にご連絡致します。
※10月あるいは11月は物流センター見学会等を実施し、現地を訪れます
開催時間 13時30分〜17時30分(後に懇親会(年3回程度を予定))
開催地 東京(市ヶ谷を予定)
参加対象 消費財メーカー、物流・ロジスティクス関連企業など
質疑応答・議論 随時設けることで、会員企業様のご理解を深めて参ります
懇親会 会員相互の交流と情報交換を目的に、適宜懇親会を開催します
昨年度の研究テーマと参加企業(旧ロジスティクス&チャネル戦略研究会)
開催月 テーマ 講師
1 2010年
6月
2011年度ロジスティクス&チャネル戦略研究会の概要
製配販連携協議会の概要と今後の課題
サプライチェーンの在庫水準に関する統計分析(流通各層における在庫水準の把握)
2010年度物流実態調査の概要〜日本加工食品卸協会によるご講演〜 実務家
2 7月 主要日用雑貨品及び医薬品卸売業のロジスティクス戦略
地域卸の全国ネットワーク化戦略の現状と課題〜サプリコ・社長によるご講演〜 実務家
カルビーによるサプライチェーン・マネジメントの取り組み 実務家
3 9月 主要コンビニエンスストアのロジスティクス戦略
国際会計基準(IFRS)と取引制度
消費財産業におけるIFRS導入の影響 実務家
経営者は「物流」のどう向き合うべきか〜朝日食品工業・社長によるご講演 実務家
4 10月 東日本大震災とロジスティクス
小売業専用センターのフィー(センターフィー)に関する最近の傾向(定量分析)
小売業の物流センターシステム(設計から運営まで) 実務家
セブンイレブンのロジスティクス戦略〜フローズンカテゴリーの立場から 実務家
5 11月 ニトリの物流センター(九州物流センター)視察・ヒアリング(その後店舗視察) 実務家
6 12月 食品卸売業の最新ロジスティクス戦略
ネットスーパーを支えるロジスティクス
製配販連携協議会の概要及びそこから見えてきたこと〜協議会事務局からの報告〜
テスコのサプライチェーン&ロジスティクス戦略を振り返る〜テスコによるご講演〜 実務家
7 2012年
2月
小売業のロジスティクスに関する分析
自動発注システムの概要とその可能性〜シーコムスによるご講演〜 実務家
ヤマトグループにおけるネットスーパービジネスと流通イノベーションへの取り組み 実務家
8 3月 本年度研究会のまとめと来期に向けた課題
小売業向けアンケート調査の分析結果
物流センターの設計:運営のポイント〜日本通運によるご講演〜 実務家
イトーヨーカ堂の物流戦略〜製配販の効果的連携に向けた取り組み〜 実務家

※印は、昨年度の研究計画に基づいて事務局が行った研究報告。

研究会の参加費用と申込方法
参加対象

メーカーのロジスティクス、チャネル・営業戦略スタッフ
※1社2名様以上での、ご参加となります。

申込方法と研究会の参加費用について

お申し込み

お問合わせ先

お問い合わせ先:
リテイル・サプライチェーン戦略研究会事務局
TEL:03-5213-4531 FAX:03-5276-5457

パンフレット・資料請求
※研究会のご案内パンフレットは、対象企業以外にはご提供できない場合があります。
予めご了承下さい。