資料のタネ

「業態の起源:ホームセンター」

資料室で購読している「ダイヤモンド・ホームセンター」誌の2007年10/11月号に、「日本初のHCが「新ドイト」に大リニューアル」という記事があった。同記事によれば、「日本初」のホームセンター(以下HC)であるドイト与野店が、ドン・キホーテに買収された後、店舗を大胆にリニューアルし、ディスカウントストアとの複合店舗とした事例が多くの写真によって紹介されていた。

文中に「ドイトは、1972年に日本埼玉県与野市(現:さいたま市)に日本で初のHCを開業した老舗。」の記述があった。そこでHCの起源を求め、資料検索にとりかかった。まずはドイト社のホームページを見ると、「会社沿革」にわが国最初のDIY店」との記述がある。他に客観的な資料はないかと資料室のデータベースを探すと、以下の資料に同様な記述がみつかった。

  1. 「流通の再構築」(1991年 宮澤健一/高丘季昭編 有斐閣)
  2. 「ホームセンタービジネス成長戦略」(1991年 滝井宏良著 ダイヤモンド社)
  3. 「ホームセンターの成長性に関する研究調査報告書」(1993年 流通政策研究所)

@は「ドイト」であると明確に記述してはいないが、執筆者がケーヨーの方なので、「日本初」については業界で了承済みであることがわかる。

他に、丸紅経済研究所のリポート「ホームセンター市場の現状と今後の展望」をインターネット検索で発見し、同研究所のホームページから閲覧したところ、「我が国のホームセンターの嚆矢は、1972年12月にタクシー会社であるヒノデが埼玉県与野市大宮バイパス沿いに開店したドイト与野店と言われている」とある。同レポートには、「ホームセンターは、もともと第二次世界大戦後のイギリスにおける{DIY運動}という消費者運動を起源としている。戦後、イギリスは焼け野原からの復興を目指していたが、職人不足という深刻な問題を抱えていた・・・・木工工具を1カ所で購入できる業態店が必要とされるようになってきたのである。DIY運動は、その後フランスに伝播し・・・・、さらにカナダを経由して米国に広まった・・・チェーンストア方式という小売販売理論を導入することで、ひとつの産業として発展を遂げることとなった」と分かりやすくまとめられている。

その後のアメリカにおけるHCの歴史は「米国ホームセンター盛衰に学ぶ成長の条件」(1996年 橋本昌也著 『ゼネラルマーチャンダイザー』1996年3月号 pp.30-36 )が詳しい。そこには「‘75年、デンバーを本拠地とする「ヒューM・ウッズ」は、ホームセンター業界初のセルフサービス未成をオープンした」とあり、また、「AT&Tのイエローページに初めてホームセンターという呼称が登場したのは’76年」という。

当資料室の資料での結論は、ホームセンターの起源は、日本では1972年4月のドイト与野店であり、より現在に近い業態の起源はアメリカのヒューM・ウッズで1975年ということになる。